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たまきたPAPER

図書館の館長になる(選書をご紹介・前編)

東久留市立中央図書館で、今、「図書館フェス」というイベントが開催されています。2015年から「本を作る人、売る人、読書がつながる活動をする」ことを目的に開催されています。

東久留米市立中央図書館・図書館フェスのページ
https://www.lib.city.higashikurume.lg.jp/soshiki/6/libfes.html

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先月、同図書館の方からその企画の一つ、「ひとハコ図書館」という企画に参加しませんか…ご連絡をいただきました。

地域の人、書店、出版社などが一つの箱に入るだけの本を選んで展示するのが「ひとハコ図書館」。選書した人が「ひとハコ図書館」の館長、というわけです。今年のテーマは「とびだす図書館」で、そのテーマに沿った選書をしてほしいということでした。

小さいころから図書館に入り浸っていた人でして、何か迷うことがあれば人に相談せず図書館で本に聞きます。本への信頼度は相当高いです。なので、図書館で本を紹介していいなんて言われた日には、もう大喜び。図書館の方が困ったであろうというくらいの食いつき具合でOKです。今日から展示がはじまりました。

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「飛ぶ・翔ぶ・跳ぶ」いろいろな「とぶ」に関係する本を集めました。和書、洋書、絵本、シナリオと本の種類はさまざまです。タイトルに「とぶ」が入っているものもありますが、読まなければどう「とぶ」のかわからないものもあります。「この本はどんなふうに“とぶ”のだろう?」といろいろ手に取っていただけたらうれしいです。


↑私の選書を紹介するリード文



お話をいただいてから、ひまさえあれば、「どの本を紹介しようかな…」と考えていて、下記のような選書にしました。

 

1 翔ぶ少女 (原田マハ著)

阪神・淡路大震災で父母を失った少女、ニケ。彼女ときょうだい、3人を引き取って育てたゼロ先生の物語。ニケは、ある理由で翔びたいのです。その場のにおいがしてきそうな筆致で、ニケの心が伝わってきます。

2 私が鳥になる日 (サンディスターク・マギニス著)

こちらも、親と一緒に暮らせない女の子のお話。「私は本当は鳥だから、背中の羽が出てくれば、いつか飛べる」。ファンタジーのようで、現実的なお話。飛ぶものの隣にはいつも心温かい人がいるのでしょうか。

3 からすのパンやさん (かこさとし著)

知っている方も多いと思いますが、パン屋さんを営むからすの家族が子どもたちのおかげで人気店になるおはなし。いろいろな個性を持つからすたちがたくさん飛んできます。
先日、渋谷Bunkamuraで開催されていた「かこさとし展」を見に行って、あらためてかこさとし先生はすごいと感激。

https://note.com/ayame_harada/n/n31e30a3e643c

このとき知ったのですが、続編が4冊出ていて驚きました。このことを紹介したくて、選書に入れました。

4 からすのおかしやさん かこさとし(かこさとし著)

チョコちゃん、レモンちゃん、リンゴちゃん、おもちちゃんがそれぞれ主人公で、4冊の続編を展開。私としては結構、衝撃の展開が続きます。

「からすのおかしやさん」は、チョコちゃん(大きくなって「チョコくん」)のおはなし。いろいろなおかしが出てきてやっぱりわくわく。チョコくんがどれほど成長しているのか、お楽しみに。

5 からすのやおやさん (かこさとし著)

こちらはリンゴちゃんが主人公。タイトルどおり、やおやさんを営みますが、なんと、「商売とはいかに行うべきか」この絵本から教えられるとは思いませんでした…自営業者必読です。

6 からすのてんぷらやさん (かこさとし著)

レモンちゃん(レモンさん)が主人公。絵本としては重い出だしがありつつも、おいしいてんぷらを食べたくなったり、からすの仲間が楽しかったり。そしてセツルメント活動をしていたかこさとし先生の、経済や助け合いを伝えようとする熱意が伝わってきます。

7 からすのそばやさん(かこさとし著)

オモチちゃん(オモチくん)が主人公。おそばも、いろいろな麺のメニューも出てきます。こちらも飲食店経営のリアルが感じられる、子どもだけではなく大人も読んでほしい一冊です。

後編に続きます

さて、後編では残りの選書について書きます。ここからは、ちょっとクセが強い本が多いかもしれません。

8 鷲の翼に乗って(上) ケン・フォレット
9 鷲の翼に乗って(下) ケン・フォレット
10 タラント 角田光代
11 飛龍伝 つかこうへい
12 鳥は飛ぶのが楽しいか チャン・ガンミョン
13 ことり 小川洋子
14 カラー版 身近な鳥のすごい食生活 唐沢 孝一
15 沈黙の春 レイチェル・カーソン
16 空港をゆく 改訂版 イカロス・ムック

図書館の館長になる(選書をご紹介・後編) 図書館の館長になる(選書をご紹介・前編) http://tamakita.com/tamakita_paper/higashikuru...

 

この図書館フェスでは、下記の「本屋さんのトビラ」企画もあります。WEBで本屋さんを紹介。私も知らなかった本屋さんがたくさん。これもわくわくします。本のオンラインショップがうらやましくなって、思わずストアーズにお店を開いてしまいました。まだ商品、ないのに…(笑)。なにやらの審査が通ったと、さきほど連絡が来たので、せっかくだから何か売ろうと思います。

原田あやめ(締めは後編で)