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武蔵野うどんの打ち方

たまきた2017年夏号「武蔵野うどんノスタルジー」でご紹介した「うちでもできる武蔵野うどん打ち」。街を取材しているうちに武蔵野うどんの思い出をたくさん聞いて、現代の皆さんにも作ってほしい!と思うようになりました。

そこでいつでもうどん打ちができるように、打ち方を改めてご紹介。武蔵野うどんの思い出話も、少しずつアップしていきます。


武蔵野うどんの打ち方

【 材料  3~4人分】
小麦粉 500g(中力粉を使うと本格的)/水 200~240cc(夏少なく・冬多く)/塩 20~25g(夏多く・冬少なく)/ゆでるとき用の塩ひとつかみ/打ち粉(小麦粉、コーンスターチ)

【打ち方】

混ぜる
水に塩を入れ、塩のつぶが見えなくなるまでしっかり溶かす。小麦粉に塩水を8割ほど加え、指先を使ってそぼろ状になるように全体を混ぜる。

こねる
残りの塩水を2回くらいに分けて入れ、握ったときにしっとりした塊になったら体重をかけてまとめ、平たくして中心にふちを折り込み、丸める。

踏む
米袋を開いて一枚のシートにしたものに生地をはさみ、小刻みに回りながら踏む。ひっくりかえして、たたんで、踏むを3回繰り返し、1時間寝かせる。

のばす
寝かせた生地に、生地と同じ小麦粉をふり、のし棒で厚さを均等にのばす。1カ所のばしたら生地を回し、のばし始める場所を変えると均等にのびる。


じゃばらに折りたたんで、コーンスターチを振り、3~4ミリの幅に切る。夏は細めに切ると、食欲がなくてもつるりと食べやすい。

ゆでる
沸騰したお湯に塩をひとつかみ入れ、うどんをほぐしながら、鍋にくっつかないように底に優しくはしを通す。
浮いてきたら混ぜ、約12分ゆでる。

冷やす
ざるにうどんを上げて、冷たい水で洗う。熱いうちは切れやすいのでやさしく、冷えたら4、5回洗ってぬめりを取る。

できました!
濡れている間が命! うどんを盛って、最後に「耳」をのせたら、すぐにつるつる食べましょう!



武蔵野うどんの思い出

私の先祖は285年前に千葉から小平に移り住んで、農業を始めました。私が小学生、中学生のころは、6月、7月になると一面の小麦畑が黄色く染まっていたのを覚えています。
 当時、お米のできない小平では、うどんが何よりのごちそうでした。糧うどんの糧(野菜)は、当時は貴重だったうどんばかり食べないように、かさを増すために入れていたそうです。
 七五三、結婚式などの祝い事、お盆のときなどは、近所の人が協力してうどんを作って食べていましたよ。昔は、こういうときのうどんを、ごちそうのあとの「本膳」と言っていたそうです。
 東京では7月15日がお盆だというところが多いのですが、私の住む小平の都心よりのほうは、当時盛んだった養蚕の忙しい時期を外して8月15日。お盆には、朝から小麦粉でゆでまんじゅうを作って盆棚に上げ、昼にはうどんを食べるのが習慣でした。
 今でもうちでは、お盆にうどんを打ちますし、普段の友達の集まりでも手打ちうどんをふるまいます。糧うどんはさっぱりしていて、お酒の締めにも喜ばれるんですよ。

たまきた2017年夏号「武蔵野うどんノスタルジー」「武蔵野うどんむかしばなし」より

武蔵野うどんを打つには力がいるので、「男性はうどんが打てたら一人前」と言われたこともありました。うどん踏みは重いほうがいいから、子どもをおんぶした女性がうどん打ちに来たら喜ばれていましたよ。

小平市在住 90代 男性