31号を前に、地域情報発信について
こんにちは。編集長の原田あやめです。
6月を前に、紫陽花がきれいになってきましたね。画像は、編集部オフィスの近くにある東大和南公園の紫陽花です。
『たまきたPAPER』30号目の春号配布期間がもうすぐ終わり、31号目の夏号発行目前。すでに印刷は終わり、スポンサー様や設置ご協力店などにお届けを開始しています。
コロナ禍、紙媒体の激減、たまきたが関係する各業界の再編など大きな変化がある中、「PAPER」の発行をどうしていくのか、ここ数年ずっと考えていました。
地域情報誌でありながら、地域ドメスティックにはなっていたくない―そういう矛盾は創刊したときからあって、設置エリアを広げるという意味ではずいぶん広がりました。
でも、根本から地域にこだわらない部分というのを、もっと明確にしたいと思い続けていたんですね。
エリアではなく、レイヤーで考えたい。それを、このエリアから浸透して全国へ広げたい。
『たまきたPAPER』で言えば、地域の人や食、話題を掲載しているため地元にいる人にとって特にキャッチーなのですが、「○○日にお祭りがあります」といったデータ的な情報ではなくストーリーを中心にしているため、どの地域の人が読んでも「へえ」と思っていただけるのではないかと思います。
また「みんなで子育て」というテーマでつくった『Minna』は、行政サービスなどのデータ的な東大和市の子育て情報を掲載しつつも、どんな地域に住んでいる子育て中の人たちにも共通する話題を盛り込んでいます。
それなら、「地域情報」でなくていいのではないか?
「地域情報誌」なのに「地域活動」と距離を置いていていいのか?
「地域振興、商業振興という名目のことを無条件に載せるべきなのか?」
「北多摩のいいもの、大事なこと」という明確なテーマを持ちつつも、そういった「地域情報らしいこと」と距離を置いているのには、いろいろな理由があります。
気軽に『たまきたPAPER』を読みたい方には余計なことかもなあ、重たいかなあ、と思い、あまりここではそういったテーマを語ってこなかったのですが、気がつけば『たまきたPAPER』は、わりあい社会的なテーマを扱っています。
楽しく読んでもらう、「へえ」と思ってもらうのが一番ですが、地域の伝統食を守るだとか、地球温暖化を考えるきっかけをつくるとか、クリエーティブな活動から障害者福祉を身近に感じていただくとかいった伏線が、必ずどこかに含まれています。
それらを含めて、癒やされる媒体になっていたらいいなと思うのですね。
いいこと、大事なことの情報を、きちんと取材をして、縄張り争いではなく地域内外で情報を共有していく。そういうことを、たくさんの人とお話をしていきたいと思っています。
原田あやめ