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乙幡国広さん(花火写真家)

たまきた地域で活躍する人にインタビューする「たまきた人」。今回は、武蔵村山市出身の花火写真家、乙幡国広さんにお話を伺いました。

乙幡国広さん

「線路がなかったから世界へ出て行けた」

●おっぱた くにひろ
1983年、武蔵村山市生まれ、武蔵村山市在住。2011年から趣味で花火写真を撮り始め、2014年にフリープロカメラマンに転向。2013年「長野えびす講写真コンテスト」(特選)、22015年「国際フィルターコンテスト」(佳作)など多数の受賞歴を持つ。2017年刊行の『花火写真家作品集 Luce(ルーチェ)』(高津創造)に作品収録。現在、国内外で年間約80の花火大会を撮影。作品の一部はウェブサイト『花火plus』や乙幡さん個人のFacebookTwitter、Instagram(@kunihiroouji)公開している。

― 乙幡さんは花火を中心に撮影をされるプロカメラマンで、カメラ雑誌で「注目のカメラマン」として紹介されたり、武蔵村山市では写真講座の講師も務められたりと活躍されています。花火を撮りはじめたきっかけは。

乙幡 7年ほど前に、富士山と花火の写真を見て「花火はすぐに消えてしまうのに、こんなふうにきれいに残せるんだ」と感動して、花火の写真を趣味で撮り始めました。
もともと花火は好きでしたが、それまでは年に数回花火大会に行って、コンパクトカメラで撮るくらいで。「写真がうまい」と言われたこともなかったですね(笑)。

新潟県小千谷市片貝町

●花火写真はすべて乙幡さんの作品です

― 長年、写真業界にいて独立、というわけではないんですね。

乙幡 写真をはじめたときは、保育士として働いていたんです。4年ほど前に花火写真を撮っている友達に「学校関連の写真を撮影する仕事をしないか」と誘われて、保育施設を辞めてプロになりました。

― 保育業界から一転、ずいぶん違う業界に飛び込まれた印象なのですが、写真学校などに通ったのですか?

乙幡 いえ、勉強というのは特にしていないんです。ほかのカメラマンに「これ、どうやって撮ったんですか」と聞くくらいです。誰かに師事したこともありません。

神奈川県 芦ノ湖

 

茨城県常陸大宮市 辰ノ口

 

― 今はどのように仕事をされていますか。

乙幡 平日は基本的に学校関連の撮影をして、土日で花火の撮影に出掛けることが多いです。月に4、5回は行っています。夏だけではなくて、春や秋もお祭りで花火が上がりますし、冬はスキー場やイルミネーションでも上がっていますから、一年中です。

― カメラマンに転身するときに、不安はありませんでしたか。

乙幡 もともと、やりたいと思ったらすぐに行動するほうで、良くも悪くも現状を変えたかったんです。やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいいと思うんですよ。保育士時代は、子どもは好きでしたが、「仕事に行きたくないな」と思う日もありましたし、収入の問題もありました。当時、バックパッカーみたいに出掛けて海外を旅していたんですが、「日本は恵まれているから、仕事を辞めてもなんとかなるだろう」と思ったのもありました。今は、仕事に行きたくないと思うことはないので、やっぱりこれが自分には合っていたんだと思います。後悔はないですね。

― 乙幡さんの花火写真の特長は?

乙幡 花火だけにフォーカスして撮る人がほとんどですが、僕はその土地の名物、お祭りの様子など、花火+風景を一緒に撮ることをいつも考えています。

山梨県富士河口湖町 河口湖

 

― 臨場感があって、その土地の地域性も出ていますよね。街の灯りなど、静止した光との対比も面白いです。日本全国ほとんどの都道府県に行かれているんですよね。

乙幡 そうですね。中でも山形の「赤川花火大会」などは毎年行っています。全編音楽と一緒に上がるし、花火の業者さんもすごいところがそろっているんです。
熊本の「やつしろ全国競技花火大会」にも、2年に1回くらい行きます。花火師さんが花火を上げて、どの玉が一番よかったかを決める競技花火なんですが、見応えがありますよ。

― 撮影するのは一日がかりですよね。

乙幡 そうですね。行く前にインターネットのマップで花火が上がる場所の周辺を見て、「この場所なら、この建物と一緒に撮れる」など見当を付けておきます。当日の昼くらいに現地に行って、本当にその場所でいいか確認してから場所取りをします。

― 海外にもたくさん行かれていますね。日本と海外の花火は違いますか?

乙幡 日本の花火は丸くてきれいで、花火そのものを見る大会が多いですが、海外ではイベントの一つとして花火が上がります。日本だと消防法の関係でできないのですが、海外ではビルや橋、観覧車から上がることもあってダイナミックです。

韓国 釜山

 

― 毎週のように遠出するのは大変ですね。

乙幡 そうですね。でも「途中で名物のあれを見て、夜は花火を撮って」と、好きな旅とセットで考えます。見たことのないものを見るのが好きなので、苦はないです。

― 武蔵村山には電車が通っておらず、外へ出にくいと言われる方もいますが、乙幡さんは20代から世界にどんどん行かれています。

乙幡 僕は逆に、もっと都心に住んでいて、電車の交通の便がよかったら、電車で行ける範囲でしか行動しなかったかもしれません。線路が通っていなくて車社会だから、自由に出て行くようになったと思うんです。

― 交通機関を通さずに直接現地とつながっているんですね。ありがとうございました。

埼玉県鴻巣市 荒川河川敷

 

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