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吉岡堅二新収蔵品展

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現在開催中の「吉岡堅二新収蔵品展」の様子

今日の最高気温は21度。天気予報では気象予報士が「肌寒さを感じる1日になるでしょう」と告げていました。涼風に吹かれると、感覚が研ぎ澄まされるようです。そんな日は「芸術の秋」にひたるべし。東大和市郷土博物館で今日から開催されている、「吉岡堅二新収蔵品展」を観覧してきました。

吉岡堅二氏は、東大和市清水の自宅兼アトリエで制作活動をしていた日本画家で、伝統的な日本画でありながら洋画の思考やモチーフを取り入れた、革新的な作品を数多く生み出しました。1944(昭和19)年に現在の西東京市、当時の保谷町東伏見から転居し、83歳で亡くなる1990年までを東大和で過ごしました。

今日は、今回の展示を企画した同博物館職員の山本悦子さんにお話を伺いながら観覧させていただきました。今年4月に寄贈されて修復を行った吉岡氏の作品「冬山」「麦(麦の風)」「馴鹿(トナカイ)」の3点を中心に、素描や草稿など約30点が展示されています。吉岡氏が使用していた岩絵具や筆なども見ることができます。同博物館内での展示は約10年ぶりだそうです。

展示されている「荒磯」という作品は182.1cm×242.8cmもあり、ほぼ同じサイズの、大きな2枚の下絵と並んで展示されています。その下絵をトレーシングペーパーのようになぞり、写して描くそうです。二段階の下絵と作品を見比べることで、吉岡氏が推敲(すいこう)した形跡を見て取ることができます。

その他、230.6cm×376cmの大屏風(びょうぶ)に描かれた「乳牛」はピカソの影響を受けた作品とのこと。吉岡氏が最後に描いた、絶筆の作品も展示されています。バラなどの洋花の絵も多数あります。日本画でありながら、モダンな家に飾ってもしっくりきそうな作品ばかりです。

「近所の人にさらさらっと絵を描いて気軽にあげていた」「弟子は取らず、どんな人にも平等な態度で接していた」という、吉岡氏ご本人についてのエピソードも聞けました。日本画に革命を起こした著名な画家でありながら、気さくで愛される人柄だったようです。

「吉岡堅二さんのような方がこの地域に生きていたことを、皆さんに知っていただきたくてこの展示会を企画したんです」と山本さんは言います。

吉岡氏の旧邸宅「(仮称)東大和郷土美術園」の一般公開(年2回・数日ずつ)でも作品を目にすることはできますが、今回は平日、土日、祝日を含む11日間にわたって展示されますので来場しやすくなっています。この秋は、たまきた地域の貴重なアートに囲まれるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

●10月14日(祝)まで、9:00~17:00。無料。10月7日(月)は休館

吉岡堅二画伯略歴
1906(明治39)年に日本画家・吉岡華堂の次男として生まれる。父と同門の野田九浦に入門し、伝統的な日本画を学んだ。20歳で「松上白鶴」が第7回帝展に初入選し、24歳で「奈良の鹿」が第11回帝展で特選を受賞。以後、芸能選奨文部大臣賞を受賞した「楽苑」など多くの作品を発表した。
1948年(昭和23年)には「世界に立脚する日本画の創造」を目指し、福田豊四郎、山本丘人らとともに「創造美術」(現創画会)を結成。東京芸術大学の教授として教べんをとったほか、同大学の中世オリエント遺跡学術調査団としてトルコ・カッパドキアの調査や法隆寺金堂壁画の再現模写なども行った。

東大和市郷土博物館
東大和市奈良橋1-260-2
アクセス/西武拝島線「東大和市」駅から西武バス(イオンモール行き)または都営バス(青梅車庫行き、箱根ヶ崎駅行き)で「八幡神社」下車徒歩2分
西武バス(東村山駅行き)で「奈良橋」下車徒歩7分
多摩モノレール「上北台」駅からちょこバス(外回り)で「八幡神社」下車徒歩2分
駐車場19台あり

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