編集部ブログ

特別投影『星空とともに』

プラネタリウム番組『星空とともに』

2011年3月11日に起きた東日本大震災から4年目となるこの3月。東大和市立郷土博物館で『星空とともに』というプラネタリウム番組が上映されます。

東日本大震災が起こった夜、被災地では日の入りまで雪が降っていたのですが、夜になると雪がやみ、満天の星空が広がりました。

その星空と震災について、地元紙の読者欄などへ被災者から寄せられたエピソードをもとにつくられたのが『星空とともに』です。震災の被害を受けた街の映像などを映すのではなく、当日の満天の星空を再現したプラネタリウムの投影と、エピソードの紹介で構成されています。

震災というテーマを持つことも特徴的ですが、上映期間が3.11の前後のみと短く、上映する施設も非常に限られているという点でも希少性のあるプラネタリウム番組となっています。そういった番組が東大和市立郷土博物館で上映されるのはなぜなのか、同博物館職員でプラネタリウムを担当されている、野崎洋子さんにお伺いしました。

***

――なぜこの番組を上映しようと思われたのですか。

野崎洋子さん(以下、野崎):『星空とともに』は2012年に仙台市天文台が制作したもので、同年6月に開催された日本プラネタリウム協議会全国大会で発表・上映されました。私もこの大会でこの番組を見て、とても衝撃を受けたのです。この番組では、「震災の日の夜に星空を見上げたときに、死んだら人は星になるといわれていることを思い出した」「震災のときは停電で街明かりがなかったから、星がよく見えた」いうようなエピソードが読み上げられます。星空を見ながらこういったエピソードを聞いているととても心が揺さぶられて、涙が出ました。そして、ぜひ当館で上映して、たくさんの人に見ていただきたいと思ったのです。

複数のプラネタリム施設の関係者から「この番組を自分たちの施設で上映したい」という声が上がったのですが、実際に上映にこぎつけた施設はかなり絞られ、都内で今年上映するのは当館を含めた2施設のみです。

――上映施設が少ないのはなぜですか?

野崎:ここまで上映施設が絞られたのは、2つのハードルがあるからです。

1つは、「無料での上映」いう条件が付いていることです。プラネタリウムは有料で上映しなければならないという決まりがある施設は、ここで断念せざるを得ませんでした。

もう1つのハードルは、施設によって投影する機械やシステムが違うため、制作した仙台市天文台から提供を受けられるのが音声とスライドのみだということです。このため、星空を投影するプラネタリウム自体は、上映する施設でプログラムに沿って制作しなければなりません。自らの施設で番組制作を行っていない施設は、やはり断念することになりました。

この2つのハードルで、ここまで上映できる施設が狭まってしまうんです。

当館は普段から購入した番組だけではなく、独自の番組を制作して投影しているので、仙台市天文台から提供していただいた音声とスライドに合わせてプラネタリウム番組のプログラムを作ることができます。無料での上映についても可能になり、2つのハードルを越えられたので今回の上映にこぎつけることができました。

――プラネタリウム部分は東大和市立郷土博物館で制作されたということですが、こだわった部分はありますか。

野崎:震災の日の夜に広がった星空をかなりリアルに作っています。制作元の仙台市天文台からプラネタリウム番組を忠実に再現してくださいという指示もあったのですが、それまでの私の力量ではできなかったところも、かなりやり方を考えて当日の星空や制作元の番組を再現することができました。

また、当館では昨年の3月15日のリニューアルでMEGASTAR-IIBという投影機を導入しました。この投影機は1000万個の星を投影することができて、星がとてもきれいだとよく言われます。もちろん星空はきれいなのですが、私は月がかなり絶品だと思います。実は震災の日の夜も、細めの月が西の空に見えていましたので、その様子も再現しています。

――投影回数が8回ということですが、番組制作元の仙台市天文台と同じ投影回数です。「星空とともに」を今年上映するほかの館は1~4回ですから、比べてもかなり多いですね。

野崎:最初は週末だけの予定でした。でも時間帯が夕方からなので、昼間に来たい人にも見てもらえるようにしようということで、平日も含めて8回投影することにしました。

――それだけ多くの人に見ていただきたいという思いが強いということですね。ありがとうございました。

***

●投影日時 3/7(土)・8(日)・14(土)・15(日)16:00~、3/17(火)・18(水)・19(木)・20(金)13:30~。無料。
東大和市立郷土博物館
東大和市奈良橋1-260-2
アクセス/西武拝島線「東大和市」駅から西武バス(イオンモール行き)で「八幡神社」下車徒歩2分、都営バス(青梅車庫行き、箱根ヶ崎駅行き)で「八幡神社前」下車徒歩2分
西武バス(東村山駅行き)で「奈良橋」下車徒歩7分
多摩モノレール「上北台」駅からちょこバス(外回り)で「八幡神社前」下車徒歩2分
駐車場19台あり

 

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