編集長あやめ日報&旧たまきたWEB記事

ご唱和ください「そんなに 何でもは できないっ!」

…というのは、昔出入りしていた制作会社で聞いた言葉で、ときたま頭をよぎるのです。

当時その会社で情報誌の打ち合わせをしていて、営業さんと女性のデザイナーさんが同席していました。時は初校の一歩手前。だいたい原稿が仕上がっているところです。

営業さんがデザイナーさんに、

「クライアントがこれも入れて、あれも書いて、クーポンも全店に入れてだって、できるよね?」と矢継ぎ早に言いました。

その場にいた私を含むライターやデザイナーが全員凍りつきました。

「ほぼ原稿出来上がってるのに、こんなにすでにスケジュール押してるのに、そんなページ割から変えなきゃいけないような直しを……」

みんなが徹夜は免れぬと覚悟した時、デザイナーさんがほおを膨らませてかわいく言ったのです。

「そんなに何でもはできないっ!」

みんなが、

「お、おぉー」

と思いました。正しい。そんなに何でもはできません。

デザイナーさんがそう言わなかったら、営業さんも、今後また、もう直せないという時期にお客さんに言われるまま直しを要求したかもしれない。

すると関わる人に負荷が延々とかかり、人がつぶれていきます。どんどんその会社は苦しくなっていきます。

抱えきれなくなる前に、「そんなに何でもはできないっ!」と言うのがみんなのためなのですよね。

私は営業サイドもやっていたので営業さんの気持ちも分かりますし、要求されるとなんとか応えようと踏ん張るたちなので、できないと言えない人の気持ちも分かります。

でも今は特に売るほうも買うほうもお互い無理のないようにしよう、という潮流だと思いますし、そのほうが何事も長続きする。

だから「無茶言うな」と思ったら言いましょう。言い方は、「かわいく」または「さらりと」です。

それでは、せーの、

「そんなに何でもはできないっ!」

ご唱和ありがとうございました。

原田あやめ

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