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私たちは本当は何を知りたいか?

自分も文章や印刷物の作り手であるし、ものづくりの話を扱うことが多い。

作家さん、職人さんや、アーティスト、その感動的な作品に出会う。

その人たちは、人間だ。

当たり前だけど、その人たちは人間で、作品そのものではない。作品はその人の一部を表現したものかもしれない。でもその人の全てではない。

一部を表現したものを、受取手は受け取ればただ感動して楽しめる。作者と作品は、親子のように、一心同体のようであって別物だ。

その人たちの生き様を表現する文、言葉もまた、感じるところ、学ぶところがある。でもそれも、その人の全てではない。

作品と作者の生き様を表現する文、言葉以外のものを、受取手が受け取る必要はないのではないかと思う。

不義理をして迷惑をかけたとか、事故を起こしたとか、それは迷惑をかけた人に義理を通して対応すればいいことで、世間に周知して役に立つことではない。

一緒に悩み、共に責任を負う範囲の人にしっかり謝罪することだと思う。多くの人が触れやすいメディアが人に知らしめるべきことはそれじゃない。

むしろ作品を純粋に楽しむ機会を奪っている。そのことによって作品に無用な汚れをかぶせることになる。

政治家でも企業家でも、同じだ。その人たちがやっていることの知るべきことはほかにあり、スキャンダルはみんなに周知すると役に立つことではない。

プライベートを晒すことと、生き様を伝えることは違う。

100パーセント美しいものはあるか? 人に完璧はあるのか? そもそもそれは社会を揺るがす悪なのか?

 

何を伝えると社会が良くなるか?

私たちは本当は何を知りたいか?

メディアはそろそろ、そのことに向き合うときだと思う。

 

 

原田あやめ

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