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営業と柿と林檎

たまきたをご存じないお店などに初めて電話すると、相当冷たい対応を受けることがある。

「◯◯でしょ!」「うちは△△載せないから!」

「こういう媒体で…」と説明して分かってもらえると、「ごめんね、◯◯何回も電話かかってくるから困ってて」

と優しくなるんだけれども、最初の拒否されている感じはかなり激しい。

そこまで拒否されるというのは、どんなしつこさの営業なんだろう。

自分が昔、営業マンだったとき、お客さんがいらないと言っても口八丁手八丁で売れと指示されていた。

それが、自分によくしてくれるお客さんほど喰い下がれという指示で、大事なお客さんだからこそ、必要なときに買ってほしいのにと、結構つらい思いをした。

こんなことをしていたら、そのうちお客さんはいなくなると思っていた。

信頼とか質とかで欲しいと思って買ってほしい。

当時のこともあり、そう思っているのだけど、先方は私のことを知らないからしょうがないんだけど、結構こたえる。

その◯◯とか△△だと誤解されたままはもっと嫌なので、一生懸命説明したり、たまきたを届けたりする。

今は前述のようなやりかたは、ほぼ受け入れられないので、よほど古い体質のところしかやってないと思うけど、昔のそういうやり方のしわ寄せというか、結果というか。

やっぱり、「こんなやりかただと、そのうちお客さんはいなくなる」という感覚は、若かったなりに(なんと22歳だった…)正しかったなと思う。

それでも、昔も今も、私を信じてくれるお客さんがいるし、信じてない人に信じてもらえるように、まだまだたくさん、たまきたを知ってもらわないと。

そんなことを考えながら玉川上水駅あたりをとぼとぼ歩いていると、路上で野菜や果物を売っている某生協の人の姿があった。

足を止めて、柿と林檎を買った。「雪で届けられなかったものを売ってるんです」と凍えながらおっしゃった。生協に入りませんかと促されたが、今登録してるのを整理してからと持ち帰りにした。

帰って林檎と柿を食べた。最近食べたことのない、新鮮な味が体に染み渡った。果物の元気が口の中で弾けた感じがした。いいものを売っているんだと分かった。ものすごくほっとした。

いいものはいいし、それを知ってもらおうとすることは、悪いことじゃない。

その辺で、商品を知ってもらうために売っていた300円のものが、こんなに人を癒すんだから。

原田あやめ

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